ピロシキ

レ・ミゼラブルのピロシキのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.0
最初は「あー、この新米警官、EXITの左にちょっと似てるな」ぐらいにしか思わなかった。「カンヌを唸らせた若い才能、ラジ・リんたろー。フランス映画界の第7世代」とかしょうもないこと考えてるうちに、あれよあれよと大惨事である。

警察は悪びれない。警察は謝らない。たとえ、警察が間違っていたとしても、正義ではなかったとしても。「食らえー!」と水鉄砲を浴びせてくる無邪気な子どもたちの群れを通り過ぎたパトカーが、辿り着いた先で本物の砲火を食らうという対比がやるせない。

ルーツは違えど、みな同じフランス国民。トリコロールの国旗を手に、W杯に沸く群衆と青い空。そしてゆっくりと現れる「LES MISÉRABLES」の白いタイトルバック。この後、パリに赤い血が流れることを暗示するかのような、不気味なオープニングに鳥肌が立った。
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