やまモン

家族を想うときのやまモンのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.2
【幸せにカタチはあるのか?】

ケン・ローチ監督の人間描写が光る作品です。

内容としては、非情な現実に翻弄される家族の姿を通して、数えた愛や葛藤、はたまた家庭教育における社会的な問題も内包したものもなっております。

日本映画では比較的多くある題材なのかなと思いますが外国の映画では珍しいのかな、という気もします。

それぞれの登場人物の描写が見事で、心理の微細な部分まで、映像作品としては表現されているのはお見事です。

また、家族それぞれが抱えている問題が、そのまま現代社会の問題に直結している点も見逃せません。

人間らしさ、家族の在り方、或いは幸せとは何なのかということを、特にラストシーンでは投げ掛けています。

解釈の余地が大いに残されている終わり方も、大いに余韻をひく素晴らしい作品でした。