けーすけ

ウルフズ・コールのけーすけのレビュー・感想・評価

ウルフズ・コール(2019年製作の映画)
3.8
シャンテレッド(フランソワ・シヴィル)は卓越した聴覚と知識の能力を活かし、フランス軍潜水艦で働いていた。ある日のミッション中に狼が叫ぶような謎のソナー音に惑わされた彼は、判断ミスを犯してしまった。その音には世界を破滅に向かわせる陰謀が仕組まれていたのであった・・・






誰が言ったか知らないが、“潜水艦ものにハズレなし”。たぶんまだハズレを引いていないだけかもですが(っていうかそんなに観てないだけ)、本作も個人的には当たりでした。


視界の無い深海を進む潜水艦。頼りになるのはソナーや外の音等で得られる情報のみ。そんな重要な役割を果たす人物・シャンテレッドは人並外れて耳が良く、その能力に関しては信頼も厚い人物。

ある日の任務で、聞いた事の無い音がこの物語のきっかけとなっていくのですが、描写も潜水艦の中だけではなく軍の基地内などでも話が繰り広げられる謎解きサスペンス展開となっており、意外と先が読めない作りでした。



謎の音を調べようと資料を探している時に出会った女性を速攻で口説き落とすわ、PCのパスワードをキーボードの打鍵音を頼りに照合したり、シャンテレッドが新たに進水する事になった原子力潜水艦にはある理由で乗艦できなくなるわと、正直ツッコミどころは多々(乗艦できなくなる理由がバカバカしすぎて笑える)。



それでも後半からの、危機に立ち向かう者達のそれぞれの視点が緊迫感あってハラハラ。危機のきっかけとなった“敵”もひと捻り加えてあり「そういう事かー!」とうまく騙されました。

核ミサイルの発射までの手順や方法はどこまで真実に近いのかはわからないけど、観ている側としてはリアリティがあるように感じてドキドキ。

「どうせ最後は“よかったよかった”ってなるんでしょ」と思っていたけど、そこも綺麗事だけで終わらせない究極的な選択を突きつける話にしてあり、やられました。


フランス海軍も協力し、本物の潜水艦を使って撮影されたとの事で各所リアリティあると思います(僕は実物見たこと無いのでセットとの比較はできない笑)。




共演として脇を固める上官役のオマール・シー、レダ・カテブやマチュー・カソヴィッツがTHE 軍人!って感じが出ていてみんな魅力的。

主演のフランソワ・シヴィルは若い頃のトム・クルーズっぽい雰囲気も若干ありイケメン。劇中、自分の判断が大切な人を失う事になるという葛藤のシーンの演技はとても心に残りました。


潜水艦内での色々な音が重要なポイントとなるので、ヘッドフォン等で鑑賞するのも没入できて面白いかもしれないです。

前述通り、軍の規律ってそんな感じでいいの?と、ツッコミたい部分もあるかもですが、細かい所を気にしなければ最後までハラハラできる佳作だと思います。うん、面白かった!!


2021/05/23(日) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。
[2021-045]
けーすけ

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