はる

トムとジェリーのはるのレビュー・感想・評価

トムとジェリー(2021年製作の映画)
4.2
昭和の頃、地方のテレビは平日夕方に『トムとジェリー』(古い方)が繰り返し再放送され、観ていた子供はその中でも好きなエピソードやギャグを各自心に刻んでいたと思う。
それが例えば、冷蔵庫の配線を変えて室内の床に水をまいてアイスリンクのようにした名作エピソードだったり、いかにも重そうな鉄塊がトムの足の上に落ちてきてオリジナルのトムの声で叫ぶシーン(今作でも再現されていて嬉しかった)だったりするだろう。

やはりトムが好きなのでジェリーはヒドいやつだと思っている。しかしそういう二人(あえて)が仲良くするエピソードは大好きだし、今作でもその要素はしっかり入っている。
これは製作陣もまたそのようにしてこの名コンビを観て育ってきたからだし、言ってみればお約束なのだ。そのトムジェリを最新の映像で見事に実写と融合させたことに感動してしまう。観てる間も思わず泣いてしまったし、こうして思い返してみてもグッとくるほどだ。

クロエ・グレース・モレッツの好演も光るし、みんな大好きマイケル・ペーニャは今作で唯一の悪役だが、なにしろペーニャだからまったく憎めない。そういう優しい作りになっているので、大人から子供まで楽しめる素晴らしい作品になったと思う。
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