可愛い子たち好きには、これ期待通りに正解な宝だと思う。
映画ファンにとっては、意外な収穫。
野球を期待した人は、最終的に大不満だろう。。。
女子野球部ナイン(+他部員たち)+先生たち+他校女子野球部の人たち──総勢約17人の若女子──を全員キャラ立ちさせなきゃ、という難しめの注文にわりとしっかり応えてる。さすがに最後頃に「このメンバー誰だっけ?」と私の把握を少し追いつけなくさせてたけど。
現役アイドルたちが先生役まで担ったせいで、いやもう、若ぁーい可愛い活発ガールばかりが常に溢れる溢れる。控えめなお兄ちゃん一人以外にめぼしい男子もいない。このオールなアイドル率が、必ずしも芝居の嘘っぽさへと響いてないのがいいところ。むしろ、“強すぎないけど統制ばっちりであろう演出力+各自のちょっとずつの確実なオーラ” のおかげでか、しっかり練習の積まれた侮れない自然演劇を見せてもらってる感が続いたよ。(実際、舞台演劇の映画化らしい。台詞の一つ一つがとても聞き取りやすかった。)
アイドル以外がほとんど出てこない映画、としての危うさは、それでもまだあった。しかし、めげずに映画としての高品質を呼び込んだ優良要素が二つ。
一つは、主演・新井愛瞳ちゃんの映画女優力! まるでグイ・ルンメイのデビュー時みたいな鮮やかさとみずみずしい叙情味がある。(門脇麦あたりを超えてる?)この愛瞳ちゃんを画面のどこかに配置してるだけで映画は充分に映画だった。無言で静止してるだけ(の長回し)でも、すごく映画女優してた。この子にはきっと今後もいい役いっぱい来るよ。
も一つは、大人なカメラ。女子女子女子の途切れなさを、きちんと物語として撮れてる。わりとしょっちゅう、肩ナメとかしてるし。一例が、屋上の野球部三人と非常勤講師との対峙場面。下手すりゃいかにもチープな邦画らしさに堕しかねない「屋上」っていう場を、よく引き締まった不思議な豪華場として印象づけてくれてた。
た・だ・し、、、、野球要素については、キャッチボールもピッチングもバッティングも、人にお見せできるレベルに達してなかったね。可愛い子たちがやってるから目に楽しいってだけで。
左利きが一人もいなくて寂しいし。野球部映画なんだからどんな野球をしてくれるのかと当然やっぱり期待してたのにさ、、、、、単なる第一章(序章)了ってだけで、、、、、稲村亜美さんとか加藤優さんとかを既に私ら世間が目撃しちゃってるこの頃なんだから、この程度じゃぁね。。。。。。
ともあれ、84分のうち70分ぐらいまでは先を期待しつつ飽きずに疲れずに楽しく観れた。ありがとぉ。
[吉祥寺ココマルシアター]