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静かな雨のmuraのレビュー・感想・評価

静かな雨(2020年製作の映画)
3.5
なかなか気持ちが晴れない。とくに志村けんの件はこたえた。主役を務める山田洋次の『キネマの神様』を本当に楽しみにしていたのに…

『四月の永い夢』の朝倉あき、『わたしは光をにぎっている』の松本穂香と、中川龍太郎は女優をうまい具合に輝かせるなと思っていたけれど、ここでは男優が主人公。だからか今ひとつノレなくて。まぁ好みの問題とは思うけど…

足が不自由な行助。一軒家にひとりで暮らし、足を引きずりながら仕事に向かう。途中にあるたい焼き屋に立ち寄るのが日課。たい焼き屋を切り盛りするのはこよみ。ある時こよみは事故に遭い、新しい記憶をつなぎとめることができなくなる。そこで行助はこよみに、一緒に暮らすことを働きかける…

ふたりの行動がとにかく「スロー」。足を引きずりながら歩く行助と、毎日記憶がもどるこよみと。そのふたりの生活をカメラを長くまわしながら描くのでなおさらそう見えて。

毎日くり返される「ここユキさんち?雨は上がったんだ」(こよみ)と「ちょっと長くなるけど聞いてもらえる?」(行助)との会話。記憶が失われていく状況を虚しいと思いつつ、今この時が幸せであればいいのかもしれないとも思いつつ。

この映画がもつ哲学に思いをめぐらせたかったが…この「スロー」にどうもついていけず…

何でもない日常の風景を切りとる中川龍太郎の映像は本当に美しいと思う。でも、ノレなければその魅力も半減か。