しおえもんGoGo

架空OL日記のしおえもんGoGoのレビュー・感想・評価

架空OL日記(2020年製作の映画)
3.9
ドラマから見てたけどこのゆるーい感じがいい。
女性の同僚がそれなりの人数がいる職場に勤めた経験のある人ならめっちゃ思い当たる空気感。

更衣室でのダラダラした会話、段々エスカレートする上司の悪口、先輩が決めた備品の使い方のルール、同意してないけど合わせる感じ…分かるわー。
男性陣からしたら理不尽とも思えるような悪口だろうけど、あれはストレス解消もあるけど、女同士の悪口にならないように矛先を他所の向けるという意味合いもあるのです。

しっかり者の先輩は対応を間違えると居心地が悪くなるし、天然で可愛い後輩はこっちの調子次第ではイラっともする。そこをうまく気を遣いつつ、とげとげしくならないように気を付けつつ真ん中を泳ぐ中間層の升野とマキちゃんの立場ってすごい思い当たるわ。

この可愛いとイラっとするの絶妙なラインを突くサエちゃんの人物像がすごく良い。10年ぐらい年が離れたら可愛い方に傾くけど、3年ぐらいの差だとイライラの方が時々勝つ。そして先輩が可愛がるのを見て中間層はまたイラっとする。
多分マキちゃんと升野が二人になったらサエちゃんの悪口とは言わないけど「あの子ああいうとこあるよね」みたいな事は言ってるはず。

あのラストはドラマでもあったけど、ネット上でのなりすましという意味でのちょっとした怖さと、寂しさと、職場の人間関係の儚さを同時に味わえる気がして私は結構好き。

バカリズムらしいセンスと、台本があるとは思えないほどナチュラルなローテンションの会話が癖になる映画だった。
しおえもんGoGo

しおえもんGoGo