Melko

音楽のMelkoのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
4.0
「丸竹のオオバがケンジとタイマン張りたがってるよ?いい加減相手してやれば?」
「悪いが俺たちは今音楽に夢中だから、そんなバカの相手してる暇ない。」

ええで、ええで!!!この映画なかなかええで〜!
とコテコテの関西弁が出るぐらいなかなか良かった。
いや、正直キャラビジュアルも話の中身もあまり好みでないシュール一直線だし、独特の間がホントに独特すぎて、(5秒ぐらい静止画が続く)、ええ〜って置いてかれそうになりつつも、やー、曲がいちいち良いんだなあ。フォークにプログレ、ロックにパンク、BGMやメイン曲に色々織り交ぜながら、気づいたら引き込まれて最後まで見ていた。

ローテンションのヤンキー 研二
仲間の太田と朝倉と共にスリーピースのバンドを結成、その名も「古武術」
ベース、ベース、ドラム(フロアタム2個のみ)の奇妙な編成。楽器初心者の彼ら、同じ音を弾き続ける、ゆるーい活動をしてた最中、「古美術」というフォークソンググループが学校内に存在することを知り…

たまり場でだべってる仲間でバンド組むとかBUCK-TICKじゃん とか
哀愁漂うフォークの古美術の音楽性がいきなりRAMONESになったり、
最初古武術を怖がってた古美術の森田、鉄砲玉ヤンキー太田と仲良くなるとことか、オタクとヤンキーがピュアに仲良くなる描写萌えるし
側から見ると雑音な古武術の音楽性に森田が「ロックの原始的な衝動」を感じて感動したり
古武術の音楽性がマジで「忍耐のロック」プログレそのものだったり、
あぁこれ作った人はロック好きなんだなぁ、あぁ、ロックって良いなあ、って

時代設定的にはうちの親世代かな?
小さな町のフェスに出てくるバンドがみんなカオスな方向性で、良いわ〜

言い出しっぺのクセに飽きちゃって、バンドを離脱した研二
どうすんのよ?と思ったら、、そうきたか!!大勢でかかってこようとするヤンキーを颯爽とかわすところ、、ピロピロピロー♪ってシュールすぎたけどかっこよかったわ!
まさかの編成でのライブ、あれ?同じフレーズしか叩けなかった朝倉、最後の最後にちょっとアレンジ入れてきたじゃん…!成長?!
なんだよ最後ホッコリ、足りないよ!もうちょっと上手くなったライブ見してよ!ってなった。

あと音楽も良いけど画も素敵
手書きなんですってね、この画…7年かかったそうな
しかも、要所要所で絵のテイスト変えてくるから緩急ハンパない

竹中直人は何を声当てても竹中直人なんだけど、なんか作品にハマってるのよね。
凄いわ

ずっと憧れてた、友達とバンドを組むってのが初めて叶った中3の冬
聞いてる音楽バラバラのメンバーでも、何かの曲を演奏できることが嬉しくて
それまで聞いたことなかったエルレ
友達からCD借りて、聞いて練習したなあ
グッチャグチャのはじめての練習から、ちょっとずつ音が合って何となく曲になってきた時はホントに感動した
初めて組んだバンドでやる曲がSurfriderだったのは、今でも、何で?って感じだけど笑
テンポ、何分の1に落としたんだっけな…
出来上がった激遅エルレ

勉強も運動もできない人間でも、「できた」の感動を体感できるのが、音楽
自分の衝動に向き合えるのも、音楽

偶然、ヒロインの名前が自分の身内の名前で、何かもう親戚がその人のことずっと呼んでる感覚だった笑
Melko

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