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化石の森のmingoのレビュー・感想・評価

化石の森(1973年製作の映画)
3.5
まずフォントがかっこいい。それもそのはず、美術はデザイナーやデザイナー志望なら知る人ぞ知る粟津潔。そして音楽は武満徹、監督は松竹ヌーベルバーグの中でも画面に対する美が鋭い篠田正浩。
主役は1番いけてたときのショーケン、それだけで期待値高まる〜

石原慎太郎の同名小説が原作。
「憎い奴は殺すまで憎め」という名台詞が有名な本作ですが、序盤のなんだただの20代前半の青春物語か…からの中盤のサスペンスな香りからまさかラストには母と子供の確執をそっちにもっていくか〜という見事な流れは流石の一言。

ところどころ篠田監督らしい遠景の美しいショットや、ホラーのような絶望カットもあり、絵的にも楽しめる一本。ただ主役のショーケンみたいな歪んだ人間がどこか70年代の狭間に生まれてそうだなと、どこか感じずにはいられない不思議な作品…
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