さうすぽー

愛なき森で叫べのさうすぽーのレビュー・感想・評価

愛なき森で叫べ(2019年製作の映画)
2.1
自己満足点 40点

う~ん、何がしたかったんだろうか?
実在の事件をモチーフにしてるのは解るんだけど、何か余計なものを足してしまった感じ。

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Netflixオリジナル映画として園子温監督が製作した配信作品。

自分は正直、園子温の作品は苦手です。
「愛のむきだし」とか「冷たい熱帯魚」等の好きな作品もあるのですが、それ以外は基本的に好きじゃないです。

グロ耐性はそこそこついてますが、あまりにも過激過ぎて、苦手なところがあります。

ただ、この映画が北九州監禁殺人事件をモチーフにした作品だと知りました。
この事件は過去に調べたことがあり、非常に凄惨な事件だった事を知ってたので観てみたのですが、この映画も好きになれないです。

これはただ事件を詳細に扱ったというよりは、園子温がやりたい事を絡めて事件を描いた完全なるフィクションです。
良くも悪くも園子温らしいエログロ映画でした。

演じた役者については満島真之介が一番良かったです。
話の中でも結構重要なキャラクターを演じていますが、一番演技が自然な感じがしました。

また、撮影のショットとかは恐らく今までで一番綺麗だったと思います。
今まではハンドカメラを使った映像が多かったのですが、今回は固定カメラを使う等、カメラワークに拘りがありました。

それ以外は基本的に好きでは無いです。

これはあくまで個人的な好みになるかもしれません。
園子温の他の作品でもみられる点ですが、俳優の演技がかなりわざとらしいです。
映画を観てるというよりは、舞台の芝居を見させられてるような感覚になります。
最初の方の学校でミュージカルや演劇っぽい感じは登場人物の回想なので、夢見心地のような感じを匂わせてるのは理解出来るのですが、今回は全編に渡って殆どのキャストが舞台芝居っぽい演技でした。
それが個人的に鼻につきました。
園子温映画の中にはそんなに気にならない作品もありますが、今回はそれが顕著に目立ちました。
個人的には是枝裕和のような現実的で自然な台詞回しの方が好きです。

また、この映画では椎名桔平が凄惨な事を他の人物にやらせたりしますが、拷問シーンが全然痛そうに見えないです。
実際それをやられると確実に痛いと思うシーンなのに、ポップ調に描いてしまうから、事件の凄惨さが半減されてしまったように感じますし、演出の仕方も「自殺サークル」や「冷たい熱帯魚」と殆ど同じで在り来たりに思えました。

そして、今回は自主製作の映画を作る話に事件をモチーフにしたストーリーが一応描かれていますが、途中まではそういったストーリーだったのは良かったのですが、終盤になると急に話がガラッと変わってしまいます。
今までの展開からどんでん返しの内容になっていました。
一応伏線は張られてはいましたが、個人的に必要性が感じられません。

まぁ、良くも悪くも園子温ワールドです。
だから「冷たい熱帯魚」のような園子温作品が好きな人は多分楽しめると思いますが、個人的には「否」でした。

2019年 ワースト10位