ピロシキ

アルプススタンドのはしの方のピロシキのレビュー・感想・評価

4.0
自分、このタイトルだけ見ると、古賀シュウが長島三奈のものまねで、アルプトゥトゥタンドのブラトゥバンドの演奏がこだまとぅる、と言うていたのを真っ先に思い出すような人間ではある。野球は詳しくない。細かすぎると伝わらない。そんな自分でも、面白いという評判を聞いて観に行って「私、来てよかった…」と思っているぐらい、よくできた物語でございました!

舞台は、高校球児たちが立っているほうではなく観客席のほうで、しかもその真ん中ではなくさらにはしの方、のみ。さぞかし気だる〜い人間たちの集まりかと思いきや、なかなかどうして、はしの方もじゅうぶんに熱闘甲子園だった。主要キャストのそれぞれが、今までに少しばかりの挫折を味わっていて、それが会話を通して少しずつ炙り出されていく。そしてラストたぶん20分ぐらい、ある人物が突如口火を切ることによって、感情が一気にパーーーンと爆ぜる。このへんがすごく上手いなぁーと思って観ていた。

それにしても、超・青春である。「生きていれば、しょうがない、と思うこともある。それを認めたうえで自分なりに頑張ってみよう」なんてものではない。はなから「しょうがなくない!努力あるのみなんだよ!!!」というメッセージ。あまりにも眩しすぎやしないか…という見方もあるだろうけど、もうなんか75分あっという間だったので、全然気にしないです。とりあえず試合終わったらあの4人にガストでもおごってやりたいな、と思ってしもうた次第です。フィルマークスのはしの方から、長々と失礼しました
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