ひでやん

フォロウィングのひでやんのレビュー・感想・評価

フォロウィング(1998年製作の映画)
4.1
低予算で1年かけて撮り上げたクリストファー・ノーランの長編デビュー作。

作家志望の男がアイデア探しのために人を尾行し、事件に巻き込まれていくサスペンスだが、ノーランはデビュー作から鑑賞者を混乱させる。

3人の主要人物で物語を展開し、終盤で二重の罠を仕掛けたノーランは、更に時系列をシャッフル。中盤で時間軸から弾き飛ばされて困惑したが、長髪、短髪、傷だらけの顔という3つの目印を頼りに必死に食らいついた。

バラバラのパズルを時系列順に頭で整理していくと、徐々に繋がる1つの時間軸が気持ちいい。「結果」の後にやってくる「原因」はなかなか面白く、全貌が明らかになった時、脚本の凄さに驚いた。

群衆から無作為に選んだ人のストーキングや下着泥棒、金品よりも私生活に興味を示す空き巣など、描くものは変態趣味だがスタイリッシュな映像がそれを感じさせない。16ミリフィルムでモノクロに映し出すノワール調の雰囲気が良かった。
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