カルダモン

ゾンビ-日本初公開復元版-のカルダモンのレビュー・感想・評価

ゾンビ-日本初公開復元版-(1979年製作の映画)
4.2
「12月29日はヒフの日、ニクの日」という素敵なプログラムを組んでくれる信頼の新文芸坐にて。年末は景気よく肉を喰らう映画がピッタリってことで『ゾンビ 日本初公開復元版』と『死霊のえじき』の二本立て。公式ページによれば日本初公開復元版には以下の特徴があるそうな。


1. 冒頭の惑星爆発
ゾンビ発生が惑星イオスの爆発による光線という設定で追加。
2. 説明テロップ
タイプライターで打った英文により死者が復活した理由を説明。
3. 残酷シーンの処理
静止画処理、モノクロ処理。
4. 本編115分
一部残酷シーン、ドラマ部分をカット。エンドロールは黒味+BGM


こんなマニアックなモノをクラウドファンディングという魔術を使い、まるでゾンビのごとく現代に蘇らせてしまう心意気、熱量、信仰心に頭が下がる思いだが、1、2についてはオープニングのわずか1分程度だし、4もエンドロールが黒?だから何?みたいな感じは否めないのが正直なところ。
しかし必見なのは3で、配給会社が勝手に配慮した残酷シーンに対する自主規制のストップモーション&モノクロが逆に味。敢えてこういう演出を狙っていったら結構面白い作品が作れそう、なんて鑑賞中に気が散りつつ、本当に素晴らしい作品はどのバージョンであっても面白さが目減りしないんだなってことを思い知る。時代が変わってもブレないテーマ性が本当にカッコ良かった。