けんたろう

シャン・チー/テン・リングスの伝説のけんたろうのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

リングが多すぎるおはなし。


余計なものが多すぎると感じた。(リングのことじゃない。)友達の女に至っては、本当につまらない。
母ちゃんの強さも、回想が増えるごとにクサくなってくる。神秘なものがどんどん胡散臭くなってしまうのは、見ていられない。
それを引き継いだシャンチーの、覚醒とも言うべき戦いには頗る興奮したが、それも父ちゃんとの戦いの中でしか活かされておらず、なんだか消化不良。
父の最期もあっさりしすぎ。これでは、親子の宿命の戦いが薄くなってしまう。もっとブラックパンサーのようにはできなかったのだろうか。はたまた、ハンソロのようにはできなかったのだろうか。

加えてガサい合成が、物語のつまらなさとマッチして、いやいよ映画を見るに堪えないものへとしてしまう。ここまでくると、もう辛い。

と、不満ばかりになってしまったが、やはりカンフー中心のアクションは素晴らしく、街中での戦いには大いに興奮した。
そうして何といっても、トニー・レオン演ずる、あの父ちゃんがカッコいい。強いがゆえに彼の不器用さは魅力的に映る。だからこそ、愛を知った男の悲しみと、その最期には身がつまされる。

とにかく納得のいかない物語だった。
が、MCUの世界でカンフーを見られたことや、トニー・レオンを再発見できたことには、たいへん満足。彼等の次の活躍が既に楽しみだ。