カテリーナ

潜入のカテリーナのレビュー・感想・評価

潜入(2006年製作の映画)
3.2
ハングルが耳に馴染んで心地よい

1998年の経済危機の打撃を受けた港湾都市の釜山が舞台 序盤、黒い波立つ夜の海の
上に右斜め上に傾く文字のタイトル
石井隆監督の 『夜がまたくる』や『GONIN』などでお馴染みのあの縦書きの右上がりのフォントを思い出した
とりわけ 麻薬中毒の女性を助けて匿い
薬が抜け切れるまで部屋に隔離する
薬が切れると幻覚を見て絶叫したり 
泣いて薬を寄越せと懇願したりする場面の後 一度だけ身体を重ねるところまで同じなので この監督は石井隆監督の作品に影響を受けてるのではと思案する

 麻薬の売人サンドを利用して情報を聞き出し 釜山から麻薬を一掃したいと考える
ジングァン(ファン・ジョンミン)のダーティーな部分が全面に押し出された今作
サンドを演じるリュ・スンボムは機関銃のような早口で捲し立てる『息もできない』で覚えてしまった「シバラマ」を連発
「シバ」と短く縮めて罵る場合もあり
一体何回耳にしたかわからないほど
汚いのは言葉だけじゃなくて 夜の港でジングァンの立ち◯◯ のカメラの位置が意味不明 わざわざファン・ジョンミンをこちら側に立たせて路上に尿が飛び散る様子が見えるようにするのに疑問
敢えて汚いものを見せる演出?
濡れ場も同様に 綺麗に撮る意思が全く感じられない そこは、日本の任侠映画を彷彿とさせる 男女の愛の営みというより
相手に縋り付くような絡み合い

サンドとジングァンの対峙の後のラストショットはファン・ジョンミンの顔が曇る
一瞬せつなさを醸し出す その表情を堪能しようとするも
黒いサングラスで遮られてしまった
カテリーナ

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