まちゃん

シン・ウルトラマンのまちゃんのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
3.7
ゴジラを使って日本社会の危機管理のリアルなシミュレーションを描いた「シン・ゴジラ」。しかし「シン・ウルトラマン」は全く違った。定番の素材に新しい角度で光を当てるというよりも思い出の「ウルトラマン」を現代の技術でブラッシュアップして見せた印象が強い。ただのブラッシュアップだけではなく庵野秀明、樋口真嗣といった特撮オタクの製作者のこだわりが細部まで詰まっている。わざと稚拙に作った特撮シーンなどオマージュ・シーンを見てノスタルジーを喚起される人にとってはたまらないものがあると思う。一方で過去作関係なく、この作品単体で見た場合にはオマージュ・シーンが必ずしも効果的に使われているとは言えない。オリジナルのウルトラマンへの思い入れが薄い人間にとってはそれがノイズとなっている様にも感じた。万人に向けたというよりも「ウルトラマン」オタクから「ウルトラマン」オタクに向けた同人作品といった趣だ。この作品に何を期待していたかによってかなり評価が分かれる作品だと思う。ただウルトラマンの戦闘シーンはかなりの迫力で素晴らしい。単体作品としても水準は十分にクリアした作品でオススメ出来る。
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