まちゃん

ゴジラ-1.0のまちゃんのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.9
記念すべき30作目、更にシン・ゴジラという大きなハードル。気合いが入っていたのだろう。山﨑貴監督の長所と短所が振り切って現れていた。全てを台詞で説明してしまう悪癖。予告編での神木隆之介の雄叫びシーンで嫌な予感はしていたが喜怒哀楽の4種類しか感情が無いような俳優陣の稚拙な演技。これはベテラン俳優陣も含めて稚拙だったので山﨑監督の演出の責任は大きいと思う。人間ドラマ部分の欠点は幾らでも指摘出来てしまう。一方でゴジラ登場シーンの完成度の高さは素晴らしい。CGで表現されたとは思えない生々しい実在感。巨大感を表現するカメラワークは冴え渡り、山﨑監督の演出力に唸った。特に最初の上陸シーンは凄まじい。電車を吹っ飛ばし、尻尾でビルを破壊する。音響も素晴らしく大迫力だ。戦争から復興し始めた銀座を徹底的に壊滅させる凶悪ぶりは歴代でも屈指、いや初代を別格としてNo. 1かもしれない。特に印象的だったのは放射熱線発射シーンだ。背ビレが一つずつ立ち上がり、光り始める演出の格好良さ。その破壊のスペクタクルは怪獣映画を観る快感に溢れていた。欠点はあるがそれを遥かに超える魅力がある作品だった。
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