まちゃん

ゴールデンカムイのまちゃんのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.9
漫画を実写化する時に気になるのはキャラクターのリアリティだ。特にゴールデンカムイの様に個性的なキャラクターが溢れる原作の場合は難しい。完全にリアルに寄せると原作のイメージから離れてしまう。かといって漫画に寄せ過ぎると多くの実写化作品が陥る様なコスプレになってしまう。それがこの作品は絶妙なバランスだった。特に気に入ったのがアシリパと鶴見中尉だ。原作では子供のアシリパ。それを23歳の山田杏奈が演じると聞いて心配だった。しかし、いざ見るとそこにはアシリパ以外の何者でもない凛々しい存在がスクリーンに映っていた。一方の鶴見中尉はかなり現実離れした存在であり、「コスプレ」に陥りやすいキャラクターだ。それを漫画のイメージを持ちながらも現実的な狂気に落とし込んだ玉木宏の演技力に驚いた。事前に最も懸念を持っていた両者の成功は作品の成功に繋がっている。一方、ゴールデンカムイに欠かせないアクションシーンも素晴らしい。冒頭の日露戦争203高地のシーンの迫力、ヒグマの恐ろしさ。一つ一つ丁寧に作っているのが伝わってくる。まだ長大な原作の端緒だがこれからの展開にワクワクが止まらない。オススメ。
まちゃん

まちゃん