ワンカット…ワンカット。
期待大で観に行ってきた。
伝令を命じられて、行く道中。
前半は世界がまるで静寂に包まれるよう。敵がいないと半分信じて進む時、人間の五感があれほどまでに研ぎ澄まされるのかと感じる。
飛行機を爆撃された独兵士が最後にとる行動。あれは、もちろんこの映画を観てる側としたら「この期に及んでなんてことを!」と思うけど、自国の兵士がやってくれたことなら、と思ってしまう自分もいる。
この作品を見て感じたのは、映画館にいても爆発による塵を吸っているような気分になる。空気が悪いところにいるような。
家じゃなくて映画館で見たから爆弾による振動とかも感じるし。
終盤、チェリーの花が浮いている所に死体が浮いている。その死体を足がかりにして這い上がる。こうならざるを得ない状況、「美しい」なんて言葉で表現して言いわけがなかろう。
でも、あの花による救いは確かにあった。
こんな映画を観たならば、戦争という武力で解決できることなんてあるのかしらと思う。
戦争は私たちを盲目にさせるというのに。