皮肉なことに、売りである「驚愕の全編ワンカット映像」のおかげで「没入体験」に水をさされた気がする…
斬新な撮影・映像であることはよくわかるし、アカデミー受賞も納得。
でも、なんだろなぁ…それが作品のPRや鑑賞の動機づけとして主役になってしまったのがよくない気がするんですよ。
邪念とでもいうか、作品そのものに集中しづらく、ドラマより撮影・編集手法のことが気になってしまうような宣伝は本末転倒だろうと思うわけです。
撮影シーンを想像しながら観るという、"作品の世界観”ではなく、”製作者の目線"に寄り添うという、確かにレアな映画鑑賞体験だが、映画本来の楽しみ方としてはなんか違うだろコレ…な歪な"没入体験" とでも言うべきか？w
ストーリーではなく、映像アプローチに関する”ネタバレ”ってのもあるんだなぁ。今更無理だけど、予備知識・情報なしで観てたら、もっと全然驚きと感動と、没入ができたかもしれない。ちと残念です。
とはいえ、所感としてそんなカンジではありましたけど、ちょっと前に観たポップな戦争表現の「ジョジョ・ラビット」との対比も相まって、戦場のリアルな過酷さ、残酷さ表現は印象的でした。4Dでもないのに死臭みたいな気持ち悪さを感じるほどに。あと爆発シーンがスゴい！すげービビったw
ストーリーは基本実話がベースらしいので過剰な脚色は控えめかもしれないけど、極限状態でお互いを思いやる二人の絆や、安全・楽な状況を捨てて使命のために命がけで走り出すシーンなんかには、グッとくるものがありました。
とはいえ、戦場版”走れメロス”的なカンジを期待すると、ちょっとそこまでドラマチックではないですけどね。でも実話ベースだけにそれでよいと思います。
あくまで個人の感想ですが、あしからず。
