ショウコ

ルーシー・イン・ザ・スカイのショウコのレビュー・感想・評価

4.2
少し前に悪い言葉を覚えたばかりで使ってみたいんですけど…本作は「ポカホンタス女レベル99」の話だ

宇宙空間で作業中のクルーが地球を見下ろしながらウットリしてるシーンから始まります。彼女が地球に帰還して日常生活へ戻る…ってOPなんですが焦りましたよ💦だってシネスコ比率だった黒枠の横幅がシュルシュル〜って狭まってくるんだもん!ヴァレリアンのOPの逆バージョンです。そして地デジ前の番組の再放送みたいに左右がぶった切られた状態でピタリと止まる

これは、広大な宇宙で「神の視点」を経験してしまった主人公が、地上でちっぽけな人間共と生活する事を窮屈に感じている…という演出。枠のサイズはパターンを変えて何度も変化するんですが、彼女が宇宙に想いを馳せはじめると広がり、現実に戻ると狭まる。他にも、黒い部分がグニャグニャ波打ったり平ぺったく潰れたり左右にパンしたりと芸達者で超面白い👏こんな表現もあるんだなって自由さを感じました。
枠ネタに留まらず撮影、音ともに凝っていて楽しいです。映画って感じがする!

宇宙に行くまではラブラブだった旦那が急に矮小に見え、同じ神視点を共有した同僚クルーの男に性欲を感じる…まさに欧米(宇宙)かぶれですね😏

やがて彼女は狂っていきサイコサスペンス展開になるんですが…持ち前の高IQを発揮して「計算で」プランを練ったり、宇宙での作業に見立てて「ミッションよ」とか呟いたりしててちょっと面白い。母親のセンス抜群な悪態とか宇宙服()を着たラストシーンもムズムズ笑いを誘うし、興味の無い相手の台詞はノイズとともにフェードアウトしててクスッとなる。「ファーゴ」的ブラックコメディとして観るのが正しい作品だと思います

彼女と行動を共にした姪っ子の最後のポエムは「ポカホンタス女」ならぬ「ポカホンタス(映画)そのもの」と解釈した。ユニークな傑作です💮

ナタリーポートマンって意外と小柄なんですね。髪型かわいい
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