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地獄の黙示録 ファイナル・カットのptitsaのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

立川シネマシティの特別上映で鑑賞.開幕のドアーズの曲と共に炎上する林のシーンだけで打ちのめされました.
音が凄まじかったです.ワルキューレの騎行のシーンでは,本当に軍用ヘリが上を飛んでい,そこかしこで爆発が起こっているかのような振動が,胃の腑を常に刺激していました.理性はこれはとんでもないシーンだと告げているにもかかわらず,感情がその美しさと爽快さに咆哮していて,自分がバラバラになっているかのような感覚を味わいました.興奮冷めやらぬまま,帰宅したあと録画していたファイナルカット版の同じシーンを見返してみたのですが,あの興奮は得られませんでした.1000円追加で払う価値は間違いなくあったと思います.

後半になるにつれて思弁的なシーンになっていくな,と誰しも思うのでしょう.ですがカーツの支配領域に踏み込んだシーンでも,よく考えてみれば生首を急にパスされたり,その辺に死体が吊るされているシーンなど,刺激的なシーンはたくさんあるわけです.たったの3時間多種多様な残酷シーンを観せられるだけで,こういったシーンでも「退屈だな」と思わせるように人間の感覚を麻痺させてしまうというのは,ものすごいパワーだと思いました.

個人的にはマーロン・ブランドが出てくるのを今か今かと待ち受けていたのですが,2時間以上経過してから出てくるのですね.それでも最後の"horror..., horror"の迫力は,身の毛がよだつものがありました.
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