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街の上でのmingoのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.8
最良のハッピーエンド映画。「下北沢」という街に男の憧れと幻想を詰め込んだハーレムービー…結局最後まで吸われなかったメンソールのタバコは二人を壊すきっかけにもなり得るし(青が引きずっていなければイハと付き合う可能性もあり)示唆に富んだ物語だった…冒頭と後半に差し込まれたラーメンを啜る風俗嬢のくだりで0.2点加点された。あの左斜め後ろからのショットと微笑みシーンがあるかないかで「観て良かった」かそうでないかが分かれるくらい個人的には良かった。

また「古書ビビビ」でデザイン書・漫画・写真集数知れずお世話になっている者としては純粋にビビビがフューチャーされてて嬉しかった。本を買いまくると店主からポイント的にオマケで100円を返してくれるんだけど、古川琴音に100円返されたい人生であった…

賛否の激しい監督だけどゴミ映画が量産されサブスクの登場によって劇場に通わなくなった時代において、若者への影響ないしは国内基準(クオリティ)の「邦画」を継承する唯一無二の現代恋愛映画の旗手であることは間違いない。城定監督リスペクトもあったので、今だからこそ逆に今泉流ピンク映画なんてものも観てみたいという気にもなった…どこかの製作・配給会社さんお願いします。

Twitterで寡黙かつ顔を出さない監督であれば天才監督の名を欲しいままにしたかもしれない。若手役者の起用と演出はずば抜けて素晴らしいのにじぶんの演出だけはコントロール出来ないものなのか…いやもはやそれさえも演出なのか。知らんけども。
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