役者をやるのか、音楽をやるのか、小説を書くのか、いやいや、いったい何をやりたいのか…
ゆっくりした空気と時間が流れているように見える下北沢にも、実は見栄と虚飾、葛藤と失望に満ち満ちているんだろう。
恋人のユキに浮気されたうえにフラれたアオ。あるとき、映画への出演を依頼される。演技の経験がないアオは、こっそりと練習を積んで撮影にのぞむ。だがもちろんうまくいかず、出演シーンはカット。制作スタッフにも馴染めず、気も乗らないまま参加した打上げであったが、そこでイハと意気投合。イハの家でお互いの恋愛話を始める…
この映画、どうしてこんなに面白いのか。カメラはフィックス、おそろしく長くまわし、退屈しそうでいて、引きこまれている。臨場感というやつか。その会話に参加しているようにも思えて…
しかしこの監督の映画を見るといつも、男女の関係はものすごく面倒くさいものだとの思いにいたる。男女は本来わかりあえないものなんじゃないかと。それでも、結局はそこに幸せを求めようとするんだなとも。
若葉竜也、成田凌となると『愛がなんだ』を思い出す。そうするとこの作品ともリンクしてしまい、どうしても若葉竜也のあの言葉が頭に浮かぶ。
幸せになりたいっすねー
若者による映画制作に、熊切和嘉がどうだ、城定秀夫がどうだといった会話。面倒くさそうにも思えるが、この下北沢シネフィル文化をのぞいてみたくもある 笑
