Leaf

オン・ザ・ロックのLeafのレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)
4.2
楽しみにしていたソフィア・コッポラ監督の新作、監督作品を劇場で観たのは初めてでしたがとても良かった。
内容だけなら大きい画面必須かと言われるとそうでもない気がしますが、そんなに特別ではない人の感情にフォーカスした作品内容により浸れる気がしたし、単純に綺麗な映像が大きい画面に映るのは気持ち良かった。

子育てをはじめ忙殺される日々を送る主人公、そんな中仕事で家を空けがちな旦那が自分への興味をなくしているのではないかと疑い始める。
ジャンルがコメディになっていましたが、人の情緒の切り取り方、たまに映る何このシーン?含めこちらの勝手な期待を裏切らない作品作りに改めて惚れ惚れします。
とはいえ、全体的にクスクス出来る会話や映像も多々あってたっぷりニヤニヤさせていただきました。

娘さんはもちろん素敵でしたが、稀代の女たらしとして相談先になる父親のキャラクターが強すぎました。個人的にはビル・マーレイってだけでポイント高い。なんとも言えない表情が好きです。
独自に完成された謎理論含め、だいぶめちゃくちゃなのにどこか憎めない感じを醸し出してるあたり、彼の人間性が集約されている気がします。
同じようにはなれないし、なりたくもないけど自分に自信を持つっていう点に関しては同意しかない。

今作も娘と父親という切り口、作風的にちょっと明るめではあったけど、こんな関係もありそうと思わされた。
主人公がお母さん世代ということも含め、2人のお子さんがいる監督自身の経験も内容に含まれてるんだろうなと妄想してみるのは楽しい気がします。

物語の締め方自体は途中からこういう感じで終わるんだろうなと想像がついてはいたけれど、いざみせられると結局良かった。
やっぱり表情の撮り方が上手い、幸せとかってほんとこんなもんなんだと思います。
これまでの作品と変わらず、印象的で好きな映像・音楽もたくさん。
とにかくこういうのでいいんだよと思える人間関係や感情の切り取り方が本当に好きです。
今後の作品もずっと楽しみな監督さん。
Leaf

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