イライライジャ

ウスタード・ホテルのイライライジャのレビュー・感想・評価

ウスタード・ホテル(2012年製作の映画)
3.4
ビリヤニ食べたくなる映画。
男児に恵まれず女の子ばかりボコボコ産まれ、やっとのことで出来た男の子は姉に囲まれたせいで料理っ子に成長。大人になり海外で料理人を目指すが、父からは認められずパスポート没収。
祖父の海辺の小さな食堂「ウスタードホテル」で働くことになる。

まず、インドはいまだに男児にこだわる古い男が大量にいる。更に「台所に立つのは女!」という考えが当たり前な上に、料理人は職業の地位として低い。(日本のインド料理屋のインド人もインド旅行客は無下に扱ってくるため嫌がる)

古くからの価値観や風習から脱却しようとしながらも、古いけれど素晴らしいものは決して無くさせない、という愛の溢れた話だった。間違いなく良い映画だ。
ただ良くも悪くもインドは保守的なので、この結末は結局選択肢を潰されてしまってるとも取れる。

惜しいのが、せっかく絶品ビリヤニが出てくるんだから出来たてホヤホヤのビリヤニがブワァッと香るようなそそる演出や、ホフホフしながらビリヤニを口に運んで震えてしまうほど旨そうに食う演出とか、そういうビリヤニを舐め回すかのようなカットを待ってた。そこが勿体ない。