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MONOS 猿と呼ばれし者たちのKOUSAKAのネタバレレビュー・内容・結末

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

また凄いのが来たな~・・😵もうあまりに凄くて放心状態です・・。

とにかく規格外すぎるパワーを感じさせてくれる超斬新な作品で、映画というアート表現の可能性を、また新たに拡張してくれる希望の一作です‼️こんな映画、他では見たことない。

国内で50年近く続いているコロンビア内戦をモチーフにしつつ、作品内世界としては特定の時代や国に囚われないような演出になっているので、見る側の身近な社会も含めて世界中で蔓延している「暴力や武力による政治的思想の押し付け合い」が想起されて、強い共振性が生み出されます。

アクション映画的な観点でいちばん度肝を抜かれたのは、ジャングルを流れる川の激流の中を、3人のキャストたちがスタント無しで溺れそうになりながら流されていくシーンです😵明らかに「命の危険」が伴うシーンで、よくぞこんなの撮り切ったなと驚かされますし、見ているこちら側まで呼吸困難になりそうなくらいの破格のシーンでした。

あとメッセンジャー(演じているのは、実在するゲリラ革命軍FARCの本物の元指揮官だそうです)の存在感と、その死に様の滑稽さには200点満点差し上げたいです😆

モノスのメンバーもそれぞれ個性的で、スウェーデンは普通に可愛いし、ランボーは「ウルフの弟分」って言ってたから普通に爽やかイケメン青年という設定やと思いつつも、なんか女性っぽいなと思ってたら、演じているのはホンマに女性キャストやったということを後で知って、これまたビックリでした😵

ランボーの正面凝視(涙目)でラストシーンを迎えるわけですが、命からがら救出されたとは言え、彼が今後「順風漫歩な人生」を送れる保証は全くなく、むしろゲリラ軍に恨みを持っている人に命を狙われる可能性すらあるわけです。

つまり、ここから先、よりよい社会を作る責任は観客側に委ねられたわけで、最終的に暴力や武力に頼ってしまう人間の「弱さ」や「業」を、私たちは本当に乗り越えていけるのか、そんな大きなテーマが提示される激烈なラストシーンでした。

あと、ミカ・レヴィが造り出す劇伴音楽がとにかくモダンでめちゃくちゃカッコいい‼️鑑賞後もずっとサントラ聴いてます。

先日『 DUNE/デューン 砂の惑星』を見て、もういい加減ハンス・ジマーが紡ぎ出す音像に「飽き」と「古臭さ」を感じていた矢先だったので、映画における「音楽演出」という面でも、希望の未来を感じさせてくれる作品となりました。
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