回想シーンでご飯3杯いける

パーフェクト・バディ 最後の約束の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.0
ソル・ギョング演じる全身麻痺の大富豪と、「最後まで行く」で強烈な印象を残したチョ・ジヌンが演じるチンピラによるバディ・ムービー。

その設定から、明らかにフランス映画「最強のふたり」を思わせるのだが、リメイクという訳ではなく、一時期半身が麻痺したヨン・ス監督自身の実体験を基にしたオリジナル・ストーリーなのだそうだ。

設定が「最強のふたり」にそっくりなので、どうしても比較するような見方になってしまう。最も大きな違いは音楽に関するエピソードが殆ど無い事で、つまり黒人と白人という文化的背景の違いが本作には無いからという点に辿り着く。

2人の違いは、四肢の状態以外では、職業と資産の違いしかないので、韓国映画らしいコミカルな人間ドラマとしては面白いが、「最強のふたり」で見られたようなメッセージ性に乏しい(フランス版、アメリカ版では、黒人音楽を介して2人が意気投合するシーンが重要な役割を果たしていた)。

僕が「最強のふたり」を観た事が無ければもっと楽しめたように思うけど、やはりここまで設定が似ていると、公開時期等も含め、作る側にもう少し工夫が必要だったように思う。本当に惜しい作品である。

あー、もし「最強のふたり」の日本リメイク、もしくは同じ設定を用いた作品が作られたとしたら、こんな感じになるのかも?とも思った。