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ユンヒへのmityのレビュー・感想・評価

ユンヒへ(2019年製作の映画)
3.5
20年間交流のなかった人に会うなんて、私だったら出来るだろうかと考えた。その人が大切な人であればあるほど、心に残る人であればあるほど、会う為の勇気はきっと沢山必要で。その為の勇気を振り絞ってみても、いったり来たりを繰り返して何度も躊躇っているうちに、結局萎んでしまうかもしれない。だから思わず隠れたユンヒに、あぁきっと私もこうなるだろうなぁと思った。

ユンヒへの手紙を見付け、逡巡ののち勝手に手紙を出したマサコ。どうして手紙を出したのか、マサコが言葉にすることはなかったけれど、ジュンをギュッと抱きしめたマサコから感じたのは愛情しかなくて。マサコはきっと、いつでもジュンの傍にそっと居続けたんだろうなと思った。

ユンヒへの手紙を見付け、セボムの中で急速に高まる母親への興味と気遣い。ユンヒを美しいと言い、笑顔が無いことを気に掛けるセボムの、ちょっと強引だけど思いきった行動の裏にある母親への想いもまた優しいもので、母娘の雪合戦は微笑ましかった。

「月が綺麗ですね。」は愛の言葉。この言葉のように、ストレートな表現はないながら、気持ちは伝わってくる奥ゆかしい映画だったなと思う。


#7_2022
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