へたれ

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのへたれのレビュー・感想・評価

3.7
良かったとこ1 アクションシーンの多彩さ
相変わらず大きなスタントだけでなく、趣向を凝らしたアクションシーンが連続するので、160分超えの映画だけど体感時間は2時間映画並み。今回特に良かったのは、フィアットに乗り換えてからのカーチェイスと、最後の列車からの救出のところ。
スタントマンなしでやっているというのがとかく話題になりがちだけど、手垢がついたようなシチュエーションのアクションシーンを、CGっぽさを抑えて再構築しているので、アクション映画として清々しい。
トム・クルーズが疾走するシーンはもうセルフパロディみたいになっていて、ストーリーに関係なく見ていて楽しい。

良かったとこ2 80年代っぽいバカっぽさ
以前の「スパイ大作戦」的な要素はほとんどなくなって、80年代のアクション映画なみのバカっぽいストーリーになっている。フィアットにも乗るから、日本人としてはもう「ルパン三世」の実写化としか思えないし、シェー・ウィガムも後半は銭形警部にしか見えなくなってくる。
アクションに全振りした割り切りの良さは、ブロックバスター映画のお手本。
AIを敵にするのは使い古した設定だけど、ハリウッドのストライキのおかげで逆にタイムリーな設定になっているのも、偶然とはいえ面白かった。

ダメだったとこ1 例のスタントシーン
例の崖からジャンプシーンがシリーズ史上最も危険なスタントであることは分かるけれど、劇中でそれほど必然性がない。
予告編で飛ぶところまでやってしまっているので、その後どうなるのかでもうひと盛り上がり欲しいところだったけど、成功したら意外なほどあっさりカットが変わってしまい、カタルシスがなかった。

ダメだったとこ2 ヴァネッサ・カービーの存在感がない
前作から急に出てきてその時も目立たなかったけど、今作であえて続投させる必要がなかったぐらい存在感が薄かった。アクションに全振りしたストーリーの中でうまい活用方法が見出せていない感じ。
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