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コリーニ事件のメルのレビュー・感想・評価

コリーニ事件(2019年製作の映画)
3.7
ドイツの刑事事件弁護士の書いた小説が原作なので、ストーリーは創作。
しかし、それがきっかけとなりドイツの戦争犯罪追及の不備を告発したという点では価値ある作品でしょう。

新米弁護士がある殺人犯の弁護をすることになったが、被害者は弁護士が幼い頃から世話になった恩人。

弁護士として依頼人を救いたい気持ちと世話になった被害者家族との間で揺れる主人公。

加えてドイツによるイタリア人虐殺のモンテカティーニ事件などが背景に出てくる。

被害者が戦後の人生では善行を尽くしていたという点、殺される瞬間には無抵抗だったという点、犯人は生涯をかけてそれをやり抜いたという点、それぞれが戦争という殺し合いの傷を負わされた人生だったという事が後々までずっしりと重く残る。

こんなシリアスな作品なのに凶器としてワルサーP38が出て来た瞬間に♪ワルサ〜ピーさんじゅうはち〜♪とルパンのテーマ曲を口ずさんでしまった事をお許し下さい。🙏

アレクサンドラ・マリア・ララはいつ見ても美しい。
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