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アルベール・カミュのsoのレビュー・感想・評価

アルベール・カミュ(2010年製作の映画)
2.0
作家アルベール・カミュの妻・愛人との関係、母と故郷アルジェリアへの思い、そしてアルジェリア戦争によって苦悩する姿が描かれている。
カミュの作家人生の中でも後期のみが描かれていて、登場する作品は遺作となった「最初の人間」や「転落」、戯曲のみ。

自分はそこまでカミュの作品の熱心な読者ではないのだが、それにしてもこの映画の主題の一つである愛人との情愛が、カミュの思想と結びつかない。逆にカミュの思想の要といえるような「不条理」や「無」が感じられるような描写もない。カミュその人の行動を外的に描いたとしても、彼の思想の片鱗に触れられるようなものでなければ、彼の魅力は全く伝わってこないし、そうでないならばこの映画を作った意義がわからない。

サルトルを一目でそれとわかる目の離れたねずみみたいな小男が演じていて、そこがこの映画のハイライトだった。
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