ショウコ

悪なき殺人のショウコのレビュー・感想・評価

悪なき殺人(2019年製作の映画)
4.6
素晴らしかった👏女性の失踪事件の真相が紐解かれていく群像劇スタイルのミステリー。思いもよらない所へ話が飛んでいくネタバレ厳禁のやつですが…ブラックコメディという事でよろしいか

章立て形式になっています。見出しは「アリス」「マリオン」といった人の名前になっており、各人物視点のエピソードを重ねていく事によって真相が3Dで浮かび上がってくる…というもの

またそれぞれの人物同士にも接点があるため、さっきの章の中心人物が次の章で関わってきたりもする。これが意外な形でガチッと繋がったり(ちょその無駄シーン要る?)と思ってた小さな出来事が伏線として出現したりで快感の連続攻撃に悶絶必至💮
「同じ事象を別の角度から見る事」って映画の大きな喜びのひとつですよね!

まさに連作小説っぽくて、私の中では「長い長い殺人(宮部みゆき)」が近いかも🤔



あとね、コメディとしては描いてないのに(描いてないからこそ)噴き出しちゃうシーンがいくつも出てくるんです。でもそこには哀しさ成分が多く含まれていて…泣き笑いみたいな変顔にさせられる事ウケアイ

各人物には分かりやすく、作品のテーマとも言うべき共通点(animal=動物=ケダモノ)が見えてきます。目撃者すらanimalというコンセプトも意地悪でお洒落。ブラック寓話ですよぅとばかりにピタッと収まるラストまで観て思うのは、人間ってマヌケで滑稽で愚かで、かわいくて哀しくて愛おしいって事😭



撮影はほぼ自然光。雪深い田舎の風景がめちゃくちゃ美しく画で退屈する事は無い。会話の切り返しとかも出来るだけループを使わない様にしてるのが伝わってくるし、皆まで言わんでも分かるじゃろ?と言わんばかりの大胆な省略ジャンプカットも心地よい

そして人物の顔面よ。どんだけ凝視してても見飽きないタイプの顔ばかりです特にマリオン!すげー美人さんなんですが繊細な表情の変化に惚れ惚れしちゃうし美乳まで披露してくれてました。
ナディア・テレスツィエンキーヴィッツ、注目です✅
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