不景気により働いていた鉄工所が潰れて職を失ったガズ（ロバート・カーライル）は、離婚した妻に養育費も払えなくなった結果、親権を失い愛する息子のネイサンと会えなくなるという危機に陥いる。そんな中、町に巡業でやって来た男性ストリップが大盛況であることを知ったガズは、一か八か自分もストリップで稼ごうと仲間を集めることにする……というお話。
冴えないおじさん達がストリップに挑戦するというキャッチーなお話で、日本でもリメイク出来ちゃいそう……と思ったけど巡業ストリップという文化が馴染みなさすぎるか。
ガズの元に集うメンバーは、太っちょで自分に自信がない友人のデイヴ、鉄工所時代の上司でダンスの嗜みがあったジェラルド、自殺未遂を起こしていたところをデイヴに救われて拾われたロンパー、やや足元が覚束ないがダンス自慢の老人ホース、ダンスの才能はないがイチモツのデカさだけでオーディションに合格したガイの六人。全員が素人であり、顔や身体が良いという訳でもないという中で、カネの為とはいえひたむきにストリップの練習をする様がどことなく愛らしい。ガズを始め家庭環境に問題を抱えるメンバーも少なくないが、ダンスと同じように自分を曝け出して問題に向き合うことになるというドラマも地味ながら感動的。
イギリス産コメディということでもう少しブラックなノリを想像していたが、おじさん達の頑張りが田舎町に少しばかりのうねりを産み出すハートフルなお話で、キレ味の良いラストも含めて思ってた以上に感動してしまった。ガラの悪い役のイメージが強いロバート・カーライルも不器用でキュートなオヤジを違和感なく演じていて、なかなかのハマり役で良かった。
(2023.105)
