恥と外聞

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームの恥と外聞のレビュー・感想・評価

3.5
ごめんなさい。
悔しいのでこういう書き方しかできません。

もうダメです。
映画は終わりです。
この映画自体を嫌うことなんて到底できないけど、今のマーベルとソニーには正直恐怖しか感じません。

「これが本当に、最後のスパイダーマン」とかって銘打った方がいいと思います。
嘘にはならないと思います。
今後何十年かはスパイダーマンをリメイクするなんて話、アホらしくて誰も思いつかないトンチキアイデアでしょう。

僕はここ何年もスマホの壁紙にしている画像があります。

かの有名な大雨キスシーンです。

スパイダーマンの映画それ自体じゃなくて、某ドラマでアダム・ブロディ扮するヲタク君が一生片想いしてる陽キャのギャルと名シーンを再現する爆泣きモノのアレです。

僕としてはアレはもうなんか完成された古典の金字塔みたいな扱いで、別に妄想で上書きしたくなるような代物ではなかった。

ゼロ年代、陰キャの嗜好が世間一般の大衆文化として根付いた10年間だったことを振り返って、“存在しないはずの郷愁の念”を禁止カード使って無理矢理墓から掘り返してる自傷行為のような感じだった。

僕の世代にとっては幼少期・思春期の思い出のこの部分は、『エヴァ』と違って“成仏せざる亡霊”ではなかった。

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊なら毎年のようにやってることかも知れないけどこれは流石に話が違いすぎる。

“No Way Home”…もう平成生まれの日本人の思う「ハリウッド超大作」に後戻りする道は残されていない。

カネと時間とマンパワー(とそれによって導き出される強力なライセンス条件)がこれからの映画の全てを形作る。

島国の片隅に棲むちっぽけなイチ人類には最早想像力なんてこれっぽっちも要求されていない。
あるのはそこに提示されるただただ圧倒的な(仮想)現実だけ!!

夢を夢のまま眠らせておくことすら許されない修羅の世界。
有象無象の全てを現実に投影する脱法スレスレの暗黒魔術が繰り出す快感の飽和攻撃の果てに人類が見出すものとは…?!