ねまる

SKIN/スキンのねまるのレビュー・感想・評価

SKIN/スキン(2019年製作の映画)
3.7
アカデミー賞短編映画賞を受賞した作品の長編版。
短編の方が衝撃度は高くて、ストーリー自体は全然違うなという印象ではある。
同じ境遇にいる主人公がどちらの道を選んだかの表裏という意味で、対になる作品で、こういう発展のさせ方もあるんだなとびっくり。ここには間違いなく同じ思いが汲まれている。

そもそもこちらは実話ベース。
白人至上主義者の夫婦に育てられた主人公が、愛する人と出会い、そこから脱しようとする話。
こういうパターンの抜け出せなさは、日本で言うとヤクザの組から抜けてカタギに戻るのが難しいのと似ている。
並行して、少年たちと放浪してる子供をご飯が食べれると連れ込んで、白人至上主義集団に囲い込む手口も描いているのが残酷。

ジェイミー・ベルが短編版の主人公を演じるイメージはつかなかったんだけど、心のうちにある優しさが垣間見えたり、だんだん優しい表情を取り戻す流れになると完璧だった。あとから付けられた暴力性を取り除くことの難しさがタトゥーを取り除く肉体的な痛みとも重なって優しい目で見つめられる。

ジェイミー・ベル。好きだなぁ。
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