吉田ジャスティスカツヲ

野球少女の吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

野球少女(2019年製作の映画)
4.1
多方面な意味で、〇〇し過ぎない作品。

皆さんが【イ・ジュヨンさんに持っているイメージ】通り、ジェンダーについての映画でした。
それを静かに熱く訴えかけてくる一作なのですが、そこまで上記の件を強調してない作りもいいですね👍

とにかく投球フォームが美しいイジュヨン😯
彼女が演じるトライアウトの申請もできないヒロインが、新任コーチとの出会いからさらに才能が開花していく様は、さながらエースをねらえ!的にも見えましょうが、そこまでスポ根な展開にはなりません。
ひたすら実直な成長と周囲との葛藤、夢と現実で揺れ動くドラマ。

立ち塞がる壁を少しずつ乗り越えていく展開に普遍性がありますよね。
幼い頃は男子と肩を並べていられた少女が直面するのは体力差だけでなく、「女の子はプロにはなれない」という偏見めいた考え方。
男女平等の世界のはずが男性から「女のくせに」などと言われたことがある女性は少なくなく、限界に挑み続けるヒロインの気持ちに共感するのです。

努力しても夢が叶うとは限らないけれど、スインを見ていると挑戦することに意味があると感じる。
母親や球団関係者に何を言われようが、爪から血が出ようが、一回だけ泣いちゃおうが【まったくブレないヒロインの心意気】がとにかく潔く、清々しいのです😌



ただし観る前から…
そして映画の途中から期待するクライマックスへの盛り上がり、終わった後のカタルシスという点で、明らかに物足りないのは否めない😩

これは演出なんでしょうが、「梨泰院クラスのイ・ジュヨン」とキャッチコピるならば、もっと「熱演」で主人公の思いを強烈に伝える場面を与えてもよかった気がしますな。