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Awayの06のレビュー・感想・評価

Away(2019年製作の映画)
4.2
映画館で観れてよかった。と思う反面、日本特別版のEDがほんんんっっっとに映画を台無しにする作り(歌もテロップも)なので、映画館で見なけりゃよかったと公開した…。なんであんな事にしたの。言葉のない映画にあんなベタベタな歌詞の曲をハメるだけで、繊細な映画の余韻が台無しだよ。

内容はとても良かったです。
1時間15分、一切セリフが無いのに微塵も飽きない。
"ゲームのようだ"というレビューを読んでから映画を見たけれど、実際の絵作り(カット割りや演出)はしっかりハリウッドの文法に則っている。
あの怪物は、少年にとっては罪悪感の化身に見えるのか。それとも死神か。ファンタジーのような世界を通って、次第に人の気配に近づいていく道のりが、死後の世界からの帰還のようにも思える。だって少年には、足元の影がない。
そんな多くの解釈が産まれる”感じる映画”だなと思いました。だからこそ、現実感の強い実写でなく、アニメーションでやる意味にもなっている。

白い鳥が羽ばたく湖面、植物の合間から見上げる星空、煌々と輝く巨大な月、霧の向こうに見える円形の門、空に落ちる溶けた人々、内部が渦巻く謎の巨人。

時たまその美しさにため息を漏らしてしまう世界でした。
アニメ好きでなくても、一見の価値ありです。
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