カルダモン

Awayのカルダモンのレビュー・感想・評価

Away(2019年製作の映画)
3.5
バイクに乗って誰もいない世界を駆け抜ける気持ちよさ。作家が描きたかったのは単純にそれだけのような気がする。
セリフもナレーションもない、環境音と音楽だけの世界を、なめらかに移動していく。いくつかのレビューでも挙げられていたように、連想したのは『風ノ旅ビト』というゲーム。質感や疾走していく感覚もそうなんだけれど、言葉を介さないコミュニケーションが端々に描かれているのも非常に近いものを感じます。

マットな質感の3DCGなので、単調な絵柄が退屈になる瞬間も。ただ、元になった短編『Priorities』のようにカメラワークだったり音響だったり、作家が感じているであろう気持ちよさに触れる瞬間もあり、アニメって実写よりもダイレクトに心に触れられるんだなという感覚も得ることができ、嬉しさもある。

"まいまいず井戸"にぐるぐる列をなして水を飲みにくる猫たちが可愛い