ハシビロコウ

春江水暖~しゅんこうすいだんのハシビロコウのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

紀行番組のようで、コロナに旅行を封じられた身にはもってこいだった。
超ロングショットで長い長い絵巻のように展開される画面がすごくいい。
巻物がゆっくりとほどかれることで、物語を伴って絵が広がっていくように、カメラが移動することで風景とストーリーが展開していく。
これと対比すると、カットの切り替えで話を進める手法は紙芝居的なものと位置づけられる。
漫画でも見られる対比だけど、アニメではまだ見たことないかな?
近いのは細田映画だけど、あれはフレームアウトしてる間に話が進むやつだからちょっと違う。
絵巻演出の方が映画の中に流れる時間が感じられる一方で、抑制的になるので感情の起伏は小さい。

長尺で納められる富春江の四季もいい。しだれ掛かる柳の並木、乳白色の夕暮れ、緑の川面に滑る船と汽笛、雪を被った水辺の楼閣。
ある時代を記録したアルバムのような映画。