ハシビロコウ

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCEのハシビロコウのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

まず敵との攻防にすごく見ごたえがある。味方の思惑も入り乱れる中で、敵の襲撃にも対処しなきゃいけない展開が複雑さと緊張感を加速させてた。
それに、序盤でサイガがあっさり死んでしまうことで、観客と作者のぬるま湯的調和(人気キャラだからあんなことやこんなことは起こらないだろう的な)が無くなり、本当に何が起きるかわからない気にさせるのもウマい。このへんは進撃の巨人を彷彿とさせる。
三期を見直したら、もっと面白く感じられそう。シンドウが何をしたかったのか、もっとちゃんと知りたい。
最後、ツネモリがカセイを射殺してしまう展開は凄い。ツネモリが免罪体質者なのは暗黙の了解だったけど、それをあんな形で目的達成に利用するのは思いつかなかった。免罪体質であることを利用してシビュラに揺さぶりをかけるという意味では、過去の敵役と同じになってしまったとも言えるけど…。

全体の大きな方向性として、事件の内容がシステムとの対峙から、システムを脅かすものとの対峙に移ってきていて、攻殻機動隊とどうしても似てきてしまってることはジレンマになりそう。
あと、事件が起きれば起きるほど、「そもそもシビュラシステム穴ありすぎじゃない?」ってなるのもジレンマ。

ストーリーで残念な点をあげるとすれば、敵に掘り下げが足りないことかな。AIが取り捌けば全部うまくいくなんて幻想だってことは、現代人は痛感してるし…
あと、特殊部隊崩れがどっからあんな数々のスーパーテクノロジーを調達できるのかも謎。