ハシビロコウ

ハウス・オブ・グッチのハシビロコウのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

全員人格に難ありなんだけど、それでも人間の愛すべきダメさが魅力的で、嫌いになれない所がいい。
パトリツィアの顔ヂカラ、アルドの感情豊かさ、パオロのアホさが最高。レディー・ガガはなんであんなに顔面に情報量があるんだろう。
表情の乏しい日本人には顔面によるコミュニケーションのよいお手本といえそう。
二時間半の映画だけど、群像劇として厚みがあるので全然飽きなかった。特にアルドとパオロの親子関係がよくて、本当にアホだけど抑圧への反発は切実な息子と、バカ息子と言って見放しつつ、最後まで見捨てず引き受ける父って感じで、ジーンとする。
アルドは自分のビジネスには頑固だけど、不幸を他人のせいにしない度量というか、しなやかさがある。
結局、人の力で手に入れた権力なのに、それを抱え込むことに囚われたマウリツィオとは、人としての格が違うと思った。

印象的で真似したくなるシーンが多いのはさすがリドスコで、最後のパトリツィアの「グッチ夫人と呼びなさい」というセリフはその最たるもの。
「グッチとは我々だ」とか、鋭いセリフも多いし、お家を巡るドロドロ悲劇だし、シェイクスピアを翻案したとも言えそうなところが面白い。
英語がわかったらもっと面白いだろうな〜

あと、「私もグッチよ」といって指輪を中指で指すシーンも最高