ヨーロッパ企画で時制を扱った作品、というとっかかりもありながら、客演に朝倉あきという配役を知って絶対に観ようと思っていた今作。
「リレー形式」の時間SFを、低予算で極めて少ない空間を使って映像化するとこうなるのか、という驚きと楽しさに満ちている。
しかも現状の社会において注目度を増したコミュニケーション手法だったり発信形式を活かしたものだというのがタイムリーだ。撮影は2月だったという。
ネタバレをすることもないが、とにかく観ればわかる映画的な工夫がなされていて、それはどう考えても撮影時の苦労が偲ばれるために、そこもコミで楽しいし笑えるのだ。
ツッコミどころを積極的に放り投げたくなる快作だし、労作でもある。
未来は知らない方が良いが、希望に励まされて動くことは良いよ、という物語。