もとや

花束みたいな恋をしたのもとやのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.9
もうわかっていた。
素晴らしい映画なことくらい。
満を持して。

序盤からこんなにニヤつかされ、序盤からこんなに涙が溢れそうになる映画ははじめてだった。

この類いの物語が好きの中心にある私にとっては刺さり散らかしてました。ギンギンに感じて、しっかりと鬼滅より泣いた。

もう見返したい…。


「最高の離婚」「いつ恋」「カルテット」坂元裕二脚本作の大ファン。菅田将暉も有村架純も好きだし、クロノスタシスと崎山蒼志を聴きながら京王線に“揺られ″日々、帰っているドンピシャターゲットユーザーなぼく。とにかく共感、反応してしまうワードで溢れており、大学生の麦が成長と呼んでイイのかわからないが変わっていく様、逆に良い意味で変わらなかった絹。そんな2人の5年間をスクリーンを通してみせられたのだが、とても他人の話とは思えないような、本系統の映画特有の感情に包まれる。

すれ違いで片付けて良いのかどうかは本人たちが決めることだが、一時の感情で一生後悔することになる可能性と何気ない会話の積み重ねがどっちにも転んでしまう怖さを感じました。改めて映画に教えてもらわなければ日常では忘れて生活してしまうんだな。

正直、就職編はみてられなかったというかみたくなかったがアレに向き合うことが人生の重要な要素な気がするから逃げてはいけないみたい。劇中の作家さんの死やパイセンの死が物語に囲いを作っていたイメージ。常に包囲されてる訳ではないが、時々自分たちを取り込もうと、潰そうとしてくる感じ。それをうまく掻い潜り、自由に生きることが、伸び伸びと多摩川の河川敷を歩くような人生を送ることに繋がり、俗に言う幸せに近づくのかな。カタチは人それぞれだがぼくは好きです。多摩川も河川敷も。

ちなみに序盤は「痛さ」すら面白いのである。自称サブカリストに誰もがなり得るあの時期を色んな味で楽しめるよう美味しく調理しています(笑)ぼくは純粋に楽しめましたw

あんまり触れられてないけど卯内さんを振り切り、絹を追いかけた麦を心から讃えたい
もとや

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