皆さんが騒いでるからなんとなく気になって。悪くない。よくできている方だと。だが、私にはあまり響かなかったなというか。別れのシーンで泣いてたお客さんいたけど、えっと思った。だって、お互いが選んで、ほぼ友好的に別れるのに。私はこういう、友好的な別れとかあまり経験がなかったので、なんか妬みかな笑。
ちょっとマニアックな文化的趣味は、誰かと共通すると、なんだか運命的なものを感じたりすることも、もちろんある。だけど、付き合う相手は、趣味的には重なりすぎない方がよい。少し違うとか、常に一緒じゃなくて、ひとりで出かける時間があったり、ひとりですることがあった方がよいと思っているので、絹ちゃんの、常に好きな作家の作品がわかるかどうかを他人を判断する基準にする癖は、ちょっときになった。
また、仕事の選び方、生き方の話でもあると思うんだけど、麦君の変節は、そんなに悪いんだろうか。ま、悪いとはいってないとは思うけど、そこで幻滅する絹ちゃんに少し違和感。また、そういう絹ちゃん自身はやりたいことがわからないのかないのかわかりにくくて、適当に手を打って、弾みから、あまり合わなさそうな業界に軽々しく転職する。趣味を楽しむ時間をもつ為かもしれないけど、絹ちゃんの仕事えらび、そして麦くんへの冷め方に、共感できなかった感はある。まあ、麦くんも、もう少し合う業界で消耗しなければよかったし、女性に対する考えや家庭願望などの古さなんかは支持できないけど。ふたりにアドバイスできる、おおらかで賢い大人がいればよかったんではないかな。
なんとなく、『アニー・ホール』なんかを思い出しました。古過ぎるけど。でも、男女が、出会って、芸術の話とかして、一緒に住んで、いちゃついたり、ケンカしたり。そして、サメの死骸状態になって別れる。そしてラストにサラッと再会する、という。まぁ、『アニー・ホール』はもっとしゃれてて、笑えるブラックユーモアもいっぱいだったけど。
そんな感じに思いました。
