へたれ

アントマン&ワスプ:クアントマニアのへたれのレビュー・感想・評価

1.5
ダメだったとこ1 全く活かされないメインキャラクターたち
これまでの因縁があって家族になった5人という設定をまったく活かしていないので、アントマンである必要が全くない。
特に酷いのが女性陣で、まずワスプことホープは今回完全に空気状態。次に娘のキャシーは、最近のMCUでよく見かける「天才だけど反抗的で、でも親への愛情は揺るがない娘(ブロンド以外の長髪)」というキャラクターの何人目かのパターン。終盤の演説とか特に酷かった。ミシェル・ファイファーが演じている母親は、秘密を抱えているという設定がすべて「過去には色々あった」的な言い方で片付けてしまい、こちらも途中から空気になっていた。
それぞれのキャラクターがちゃんと絡まないだけでなく、物語を推進すらさせていない。例えば、この世界からどうやって戻ろうかという話がされることはほとんどないし、この世界を助けることになる理由も希薄。

ダメだったとこ2 見せ方に失敗している量子世界
量子世界というよりはスペースオペラに出てくる謎の惑星のような描き方になってるうえに、この世界のルールや文化がほとんど説明されないので、異世界としての見どころが伝わらない。スターウォーズやガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと比べても、異世界設計があまりにも雑。
原住民たちも一人一芸のようなキャラ付けしかされていなくて、思いつきで適当に配置した感を助長させていた。

ダメだったとこ3 面白いアクション性の欠如
アントマンたちやってるアクションがだいたい次のどれかなので、単調になってしまっていた。
(1)巨大化して怪獣のように破壊
(2)ミクロサイズから突然現れてパンチ
(3)とりあえず圧力をかけ続けるとなんとかなる

ダメだったとこ4 小物すぎる悪役
悪役カーンが登場と言われていたけど、このカーンがMCU史上でも屈指の小物に仕上がっていて、ストーリー上の推進力を削いでいた。
まず、脚本上でこの悪役がどれくらい怖いのかを表すエピソードがすべてセリフで処理されてしまい、迫力がない。次にVFXで強力な一撃を見せるような見せ場がない。最後に、ジョナサン・メジャーズが常に怒りを内に秘めて半泣きしそうな顔を上手く演じてしまったので、怖いというより弱々しく見えてしまった。
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