10円様

エルヴィスの10円様のレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.6
 ここ最近のミュージシャン伝記映画の中ではかなり良かったよ😊
 この手の映画って主体の人生を淡々と追うものが多くて、中盤あたりからマンネリになるんですよね💦本作も構成的にはその域を出ないんですが、バズラーマンの演出がやけにギラギラ過ぎて飽きません!彼のスピーディーな演出とトムクーパー大佐を狂言回しとして使った点が成功したのではないでしょうか?

 エルヴィスプレスリーがいなかったら、ロックンロールは何年遅れてやってきたんだろうか…もはやロックという概念は今と全く異なった状態で伝承されていたのかもしれない。
 エルヴィスプレスリーがデビューしたのは1954年。54年と言えばジムクロウ法が終焉に差し掛かるも、公民権運動が最も盛んであった時代です。つまりこの時代は「白人VS黒人」の構図が浮き彫りになっている時なんでよね。
 黒人の音楽に勢いが付いている反面、やはり政府はそれらを規制しようとします。この時の黒人の音楽って、やっぱりその中にあるメッセージが強く物悲しい感じがする曲が多いですよね。
 プレスリーはその音楽に幼少期から触れ、白人の音楽と融合させました。これは当時としては革命的を通り越して異端的なものだったと思います。それをやってのけたプレスリーも凄いんですが、それに目を付けたトムクーパー大佐の着眼点、感性、度胸もなかなかだと思いました。

 映画ではトムクーパー大佐は徹底的な悪者として描かれていますが、実はアーティストを馬車馬のように働かせるとか、法外なマージンを踏んだくられるとかって、意外と多いんですよね💦これらの件に関してまだ法制度がしっかりしていなかったのかもしれませんし、エルヴィスほどの大物アーティストは金に疎かったのかもしれません…

 とは言えトムクーパー大佐。何気にエルヴィスプレスリーよりも気になってしまう人物ではないか…

 映画はもっとエルヴィスプレスリーの事を掘り下げても良いような気がしました。ちょっと曖昧なまま美談として濁されている部分もあり、消化不良気味の所はあったのですが、やはりバズラーマンのストーリーテリングで一気にラストまで行っちゃいましたね😊
 主演のオースティンバトラー。本作を観るまで知りませんでしたがとても好評なようですね。なんと「DUNE Part2」にも出るという事で、早速引くて数多な様子ですね!

 エルヴィスプレスリーはロックの神様ですが、私はどちらかと言うと彼の曲はバラードの方が好きなんですよね😊
 
 あと42歳でこの世を去ったプレスリーですが、実はそっくりな人と入れ替わっていて、老人ホームで余生を送っているって設定の「プレスリーVSミイラ男」って映画もなかなか面白いので興味のある方、くだらない映画を探している方のみどうぞ😆
プレスリーファンは観ない方が良いかも。
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