未島夏

東京の恋人の未島夏のレビュー・感想・評価

東京の恋人(2019年製作の映画)
3.5
この映画を観終えてすぐ、怒りのままにこの文を走らせている。

主人公に、こういうタイプの人間に、思いっきり唾を吐きたい。
心底そういう気分。

ヒロインの現在における振る舞いと、ビデオ映像等で挿入される過去の描写がとても良い分、怒りに拍車がかかる。



学生時代が人生のピークだった人間が、その過ぎ去ったピークに在った思い出の女性と一日だけ再会する事で、戻れないあの日へのセンチメンタルと先の見えた人生への絶望を巡らせる。

早い段階で人生を謳歌出来た人間には、自分の人生がどれだけ恵まれてて、どれだけ幸せかが分からないのだろう。

女性にも困らず、青春をやり切れた人間がそのピークが過ぎて絶望している姿を見たって、ただの幸せな人生にしか見えない。
なに悲劇ぶってんの? は? としか思わない。



いくらでも方向転換出来るのに、言い訳の材料ばかり作って自分に向き合おうとせず、ただ思い出に浸ってまた絶望しての繰り返し。

言い訳の材料の一つが妊娠した妻…つまり子供なのもタチが悪い。つくづくゴミ野郎。

こういう人間が現実にも溢れてると思うと反吐が出る。
贅沢言うなら俺と代われよ。

こんなに良い思い出がたくさんあるのに、絶望する理由なんてお前には全く無いんだから。

そこからすぐ、お前のピークなんて越えてやるから。

幸せな人生を無駄遣いすんな。
世の中舐める以上に、自分自身を舐めんな。



以上。
この映画は嫌いじゃないし、夜明けの歩道橋でヒロインが主人公に突き付けるあるセリフの「死刑宣告感」には震えた(これを他人から言われる事こそ絶望だよ)けど、主人公のような幸せに無自覚な人間が死ぬほど嫌いなので、やっぱり好きにはなれない。
未島夏

未島夏