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ウィズアウト・リモースのrayconteのレビュー・感想・評価

ウィズアウト・リモース(2021年製作の映画)
5.0
トムクランシーの「レインボーシックス」を原作とした軍事アクション。
しかも「ウィンドリバー」や「最後の追跡」のテイラーシェリダンが脚本を務めるということで、期待して観た。

クランシーだから当たり前なのだが、まあ〜話がデカい。
家族の死から世界戦争まで結びつく振り幅の派手さはアベンジャーズシリーズにも劣らない。
アクションは屋内戦や市街戦に空中戦と、軍事ものの定石きっちり押さえつつ、久々にマイケルBジョーダンの殴り合い(刑務所シーンって多分「塀の中の王」から影響受けてるよね?)も見られるのでしっかりフルコースをいただいた気分になれる。
しかし、ストーリーは割と平坦でシェリダン色も薄く、悪くはないが特に引っかかる所もなかった印象だ。
これは逆に言えば、クランシーの著作が現代の軍事ものの基礎となっているということで、大家の凄さを改めて実感させられる。それにクランシーの緻密な原作を2時間の映画にするのは、まとめるだけで精一杯なのも仕方ないだろう。

先が読めて味気ないと感じる人もいるだろうが、たとえば探偵ポワロやシャーロックホームズシリーズのように、安定した作品だと言えるのではないだろうか。
すべての映画が斬新でトリッキーなものばかりでは疲れてしまうし、それだけでは置き去りにされてしまう人もいる。
時には、続けていることが大事なジャンルもあるんじゃないだろうか。
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