rayconte

ヘルドッグスのrayconteのレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
5.0
こんなに変な映画久々に観た。

キャラクターの個性は粒立っているし、キャストのメンツも素晴らしい。
岡田准一が振り付けるアクションは言うまでもなく最高な上、ガチガチハードボイルドかと思いきやアドリブが多くて可愛らしいシーンもある。
しかし一方で、極道描写はジャンプ好きの中学生が妄想ノートに書いたようにリアリティがなく、シナリオはやたらカッコつけてる割にはガイド付きバスツアーみたいな予定調和とご都合主義のオンパレード。
最高なとこと最低なとこのアンバランスさがとにかく気持ち悪くて、豪華客船で高級フレンチを食べさせつつひどい航路で船酔いさせてくるような映画だ。
これがアメリカ映画なら、ラジー賞にノミネートされるんじゃないだろうか。
結局のところはただ岡田准一のアクションを見せるためだけにあるような作品で、そういう意味ではスティーブンセガール的。
ワンタッチ収納家具みたいなシンプル構造な話なのに、それでいて「闇の奥は深いぞ」なんて台詞を真面目に言わせるものだから、コントなのかなと思えるくらい。
ヘルドッグスというより笑う犬。
でも楽しいからオススメです。
rayconte

rayconte